ラブホスタッフ上野さんの人生相談 スペシャルセレクション4

夢をあきらめそうになってツラいです。どうしたらいいですか?
第1回

夢をあきらめそうになってツラいです。どうしたらいいですか?

人生相談 セレクション
2017/02/22公開

【お悩み1】

 夢をあきらめそうになってツラいです。
 どうしたらいいですか?

【回答】

 ご質問誠にありがとう御座います。

 さっそくで申し訳御座いませんが、ご質問者様がいまあきらめそうになっている夢とはなんでしょうか?
 もちろん、いまご質問者様の返事を聞くことはできませんので、確認のしようはありません。
 ですが、私の推測が正しければ、ご質問者様の夢は「職業」では御座いませんか?

 さて、先ほど『小学生の将来の夢ランキング』というものを見たのですが、1位から10位まですべて「職業」になっておりました。
 それもそのはずで、このランキングを作成するにあたり、制作者が小学生に行なった質問は「将来、どんな仕事に就きたいですか?」というものだったからで御座います。
 もちろん、この制作者が悪意をもってこのランキングを作成したとは思いませんが、『夢=職業』と考えている方なのでしょう。

 この制作者の方にかぎらず、「なりたい職業」と「夢」を混同してしまっている方が多いように思えます。

 小さい頃、大人に「将来、何になりたいの?」と質問をされ、職業を答えると「そっかー。じゃあ○○の将来の夢はお医者さんなんだね」というような会話をされた経験は皆様にも御座いませんか?
 そのような経験が積み重なり、『夢=職業』という公式が皆様の頭の中にもできあがってしまっているのかと思います。

 ですが、現実には職業と夢が完全に一致することなど、非常に稀有な例と言わざるを得ません。
 まず、あり得ないと言っても過言ではないでしょう。

 ほとんどの場合、職業は『手段』にすぎません。
 たとえば「人の役に立ちたいから、将来の夢は看護師になりたいです」という話をよく聞きますが、この場合「人の役に立ちたい」というのが『将来の夢』で、看護師は『手段』にすぎないということになります。
 看護師でなくても、人の役に立つことはできますし、看護師であっても人の役に立つかはわかりません。

 夢について悩まれる方はほとんどの場合、夢と手段を混同してしまっていることが原因で御座います。

 たとえば「人の役に立ちたいから、看護師になりたい」と思っていた少年が、なんらかの事情で看護師になれないことが決定したとき、看護師を夢にしていれば絶望しますが、「人の役に立ちたい」ということを夢にしていれば看護師になんの未練もなくなります。

 「人の役に立ちたい」という自分の夢をかなえる手段として、看護師は適切ではなかった。だから違う手段を探さなくてはならない、というように考えることでしょう。

 さて、ご質問者様の夢はなんですか?
 なぜ、それが夢なのですか?
 それは『手段』では御座いませんか?

 突きつめてしまえば、人間の夢はほとんどの場合「幸せになりたい」という欲望に帰着いたします。

 先の少年の例にしても「人の役に立つことが幸せだから」といえるでしょう。
 夢は職業ではなく、「幸せになりたい」という欲望で御座います。

 そう考えると「夢を持って生きろ」とか「夢をコロコロ変えるな」とか、そういう言葉が非常におかしく聞こえてきます。
 欲望を持たずに生きられるほど、無欲で高尚な人間に誰がなれるでしょうか。
 欲望なんて、そうコロコロと変わるものでは御座いませんし、仮に変わったところでなんの問題があるのですか。

 最後になりますが、ご質問者様にお答えさせていただきます。

 もしご質問者様が質問文でされた夢が、100%ご質問者様の欲望と一致するのであれば、それを夢と言ってもよいかと思います。

 たとえばサッカーの本田圭佑選手の小学校の頃は「世界一のサッカー選手」だったそうですが、おそらくいまの本田選手があるのは「世界一のサッカー選手になる以上に効率的に幸せになる手段」が思いつかなかったのでしょう。

 彼のように夢に対する手段がひとつしか思いつかない、不器用で、愚直で、融通がきかない人間のことを、私たちは「天才」とか「英雄」と呼びます。
 イチロー選手も石川遼選手も、おそらくそんな気質を持っていることと思います。

 ですが、私のような一般人はもっと器用で狡猾で融通がききます。

 職業や一過性の目標といった『手段』と『夢』が100%は一致しません。
 なので『夢』を達成するために、いちばん都合のよい『手段』をその都度選べばよいのだと思います。

 ご質問者様が、なぜ手段をあきらめなければならない状態になったかはわかりかねます。
 ですが、それは「その手段が夢の達成に向いていなかった」ということにすぎません。

 「夢をコロコロと変えるな」とほざく方がいたのならば、「私は幸せになりたいという夢から一度もブレていない」と言えばよいかと思います。

[プロフィール]

1990年生まれ。都内某所のラブホテルのスタッフとして働くかたわらで、ツイッター(フォロワーは約21万5000人。※2017年1月現在)や質問サイトで人生相談を行なう。
紳士的な態度と的確な論理的恋愛アドバイスには定評あり。やたらと長く、脱線しまくりな回答が見どころ。
コミック『ラブホの上野さん』の原案、著書に『ラブホの上野さんの恋愛相談』『ラブホの上野さんの恋愛相談2』(いずれも小社刊)など。
◇ツイッターアカウント=@meguro_staff

全話スグ読める電子書籍はコチラ↓

夢をあきらめそうになってツラいです。どうしたらいいですか?

ラブホスタッフ上野さんの人生相談 スペシャルセレクション4~「自分探し」のお悩み編~

著  者
上野
レーベル
eロマンス新書
価  格
185 円(税抜)
シリーズ
人生相談 セレクション
※各配信書店で販売金額が異なる場合があります。

以下の書店名をクリックすると、電子書籍版の購入ページへ移動します。

配信書店の一覧はこちら