愛されガチャコと愛されたいあくびのくらし

愛されガチャコと愛されたいあくびのくらし
第1回

愛されガチャコと愛されたいあくびのくらし

2017/09/27公開

まえがき

 京都生まれの2児、2ニャンの母、ポンデ☆あくびです。
 お嬢さま学校を卒業し、順風満帆なはずの人生でしたが、30回以上の転職、入院や手術を繰り返し、いろいろありながらも愛猫とのんびり楽しく暮らしています。
 2007年から細々とツイッターを始め、日々ためにならないことだけをつぶやいています。
 ツイッターでさまざまな年代の女性と交流、また日常生活で愛猫ガチャコと触れ合っていくなかで、すべての女の子とすべての猫に幸せになってほしいと願うようになりました。

 私がツイッターをはじめたのは、イチロー選手が大リーグのオールスター戦で日本人初のMVPを受賞した2007年でした。
 それからちょうど10年の歳月が経過し、当時私を「オバサン」と呼んだクラスメートに「ママはオバサンなんかじゃない!」と涙ぐましい抵抗をしてくれた長男も、私とのケンカの折に「このクソババア!」と憎まれ口をたたくようにたくましく成長いたしました。

 この10年のあいだ、だらだらと続けてきただけのツイッターではありますが、一介の40代主婦が普通に生活しているだけでは触れ合うことができないような年齢層の方とたくさん巡り合うことできました。

 そんななか、いまの若い女の子たちは本当にたくさんの悩みを抱えていることを知りました。
 悩みは人それぞれにあるといいますが、仕事のこと、恋愛のこと、人間関係のこと、本当に多様な悩みを胸に抱えながら生きていることを、タイムラインを通して感じたのです。

「悩む」ことは、すなわち「生きる」ことです。

 真剣に生きて、社会、そして自分と正面から向き合うからこそ、人生のかじ取りが慎重になるのだと思います。
 一方で若い女の子たちが、そのかわいいお顔を涙で濡らしてうつむいてばかりでいるのも、もったいないなぁと思います。

 そんなことを悶々と考えながらふと携帯電話から顔を上げると、フカフカの物体が目に飛び込んできました。
 そう、天上天下唯我独尊たる我が家のお姫さまガチャコが、女性にあるまじきふしだらな態度で、そのわがままなボディ(お腹)を惜しむことなく世間に見せつけて寝転がっていたのでした。

 将来のある若い女の子たちが今日も頭を抱え、胸を締めつけられながら暮らしているというのに、なんとお気楽なことか……そう考えながらも、まわりの目を気にせず、欲望のままに惰眠をむさぼる姿はすがすがしくもありました。
 世の悩める女の子たちも、ガチャコのように自分の心のままに生きていくことを自分に許してあげてもいいんじゃないだろうか、と感じたのです。

 私は、この10年のあいだはなぜか災難続きで、交通事故に遭ったり、病棟に隔離されたり、ガンが発覚して胃を切除したりと大忙しでした。
 それでも毎日を楽しく笑顔ですごしてこられたのは、どこまでも能天気なガチャコと私を支えてくれる家族の存在があったからだと思っています。

 人生はなんとでもなる。なんとでもなるんだから、もっと肩の力を抜いて生きたらいいじゃない!

 そんな気持ちを込めて、ガチャコとの生活の一片を綴りました。
 悩めるすべての女の子の肩の荷が、少しでも軽くなることを祈ります。

ポンデ☆あくび

Day 1 “幸せ恐怖症”ってなに? 私はあくび、この子はガチャコ

 みなさん、はじめまして! ポンデ☆あくびと申します。
 京都出身、京都在住のごくごくフツウの女性です。でもじつは私、意外と複雑な家庭環境で育ったという過去もあり、どう考えても悪運が強すぎるとしか言いようがない波瀾万丈な人生を送っているのです。
 ツイッターで日々のドタバタを切り売りしているうちに、なんとフォロワーが2万人を超えてしまいました。
 ああ、もっと生活に癒しが欲しい……!

 そんな私のもとに5年前のある日、とってもかわいい子猫がやってきました。
 テレビに出ていた猫カフェの彼女に思わずひと目惚れ。
 なんとかお願いして譲ってもらうことができた、エキゾチックショートヘアの女の子。

 昔っからおてんばで、動きがガチャガチャしていることから友だちに「ガチャコ」というあだ名で呼ばれていた私は、かわいいけれどガチャガチャした顔立ちのこの子を見て、自分の分身として『ガチャコ』と名づけることにしたのです。

 クリクリおめめに、フワフワしっぽ。いっぱい遊んで、いっぱい食べて、いっぱい眠って……まるで我が家にお姫さまがやってきたみたいでした。
 でも、お椀に入っちゃうくらいちっちゃくて、目に入れても痛くないくらいかわいかったガチャコはわずか半年後。もはや視界に入りきらないくらい大きくて自由奔放、ワガママ放題の大福みたいな女の子へと、ムクムク成長したのです……。

 安いごはんには目もくれず、高級カリカリを遠慮なくむさぼります。
 アゴの下しかブラッシングさせてくれないので、(エキゾチック)ショートヘアとは名ばかりのロングヘアはいつも絡まっています。
 お腹も顔もぽっちゃりしてしまい、クッションなのかガチャコなのか見分けがつかないありさまです。

 それでも、我が家のお姫さまであることに変わりはありません。
 私が帰宅すると、(ごはん目当てに)巨体を揺らして出迎えにきてくれる姿のかわいさについつい騙されてしまいます。
 不愛想に太ましい背中を向けているだけなのに、家に来たお客さんの視線を独り占めし、みんなを喜ばせて笑顔にしてしまいます。
 ワガママな大福になっても、変わらずにみんなからとっても愛されるガチャコ。

 この本では、なかなか素直に生きられない私と、いつもありのままで生きるガチャコの暮らしを綴っていきます。
 自分らしく、自由に、ワガママに生きても愛される秘訣を、ガチャコの生き様を見ながら探っていきたいと思います。


幸せになりたいのに逃げてしまうこと、ありますよね


 皆さんは「アッパーリミット」や「幸せ恐怖症」という言葉をご存知ですか?
 なんと、人が受け入れられる「幸せ」にも限界(リミット)があるらしいのです。そのリミットがあまりに低くなってしまうと発症するのがこの病。
 いまの幸せが崩壊するのが怖い。幸せから転落してまた不幸になるのが怖い。そんな気持ちから、いまある幸せを認められなかったり、自ら壊してしまったりするそうなのです。
 みんなが憧れ、追い求めるはずの幸せが“怖い”だなんて、なんともフシギな話ですよね。でも、意外に身近なことかもしれないんです。

 かくいう私もまた、長年の幸せ恐怖症患者のひとりです。
 いつの間にか身についていた、「好きだよ」「愛してるよ」なんて甘い言葉をささやかれても、「ハイハイ」と軽くあしらい、本気にしないことで自分の心を防御するクセ。
 そんなことないってわかっているのに「ほかに好きな人いるんでしょ」とふっかけてしまうケンカ。
 恋人に対してそういう態度をとり続けては、何度も(ある意味で)思いどおりにフラれてきた、まさに不幸マスターです。

 最近も、客観的にはどう見ても“彼女”なのに、「そんな! そんな! 私が好いているだけでございます! 彼女だなんてめっそうもございません!」という自己卑下のスタンスでしかいられません。
 しかも、あだ名や名前で呼ぶのはなれなれしいかな……と考えてしまい、もう何年も経つというのに苗字に「さん」づけで呼ぶ習慣が直りません。
 年齢を重ね、外見が衰えたように感じて自信を失っていくにつれて、なおさら重症になっていっている気がします。

 私ほどヒドくはなくても、みなさんも幸せを追求しているつもりが、かえって不幸に陥るような言動をしでかしてしまっていること、ありませんか?
 たとえば、ホントは大好きなのに相手を勝手におもんばかって身を引いたり、彼氏を探しているはずなのに焦るあまり、向こう見ずな遊び方をしてしまったり……。

 幸せになりたいのに、どうしてどんどんこじれていっちゃうのー!?


ガチャコにとっての幸せとは……?


 幸せになりたいのに遠ざけてしまう、厄介なパラドックスに陥ってモヤモヤしているとき、ふと目に入ったのが今日もお腹をさらけ出して悠然と眠りこけているガチャコの姿でした。

 愛嬌があるといえば聞こえはいいけれど、まあまあブサイクなお顔に、動きにくそうなボテボテの身体。短い手足に絡まるネコっ毛、しかもなぜか身体からは異臭が……(シャンプーしてもすぐにこの体臭がぶり返します)。
 養ってもらっているというのに気まぐれすぎる愛想のなさと、ひとかけらもない謙虚さ。この問題のあるルックス、そして性格。なのに、こんなにも愛されて、どう見ても幸せに生きているガチャコ。
 私たちとの違いは、いったいなんなんでしょう?

 彼女はたぶん、「幸せになりたい」とか「幸せってこうだよね」とか、難しいことはなんにも考えてないのです。
 自分が幸せだと思えることを欲望に忠実に、ただただ遂行しているだけなんですね。
 幸せを追求したり、幸せから逃げたりもしないガチャコは、底なしハッピー野郎なんです!(女の子だけど)。

 そりゃあ猫なんだからあたりまえかもしれないけれど、毎日をついついマジメに、一生懸命に生きすぎてしまっている私たちも、たまにはガチャコを見習ってみてもいいのかな、と思えます。
 でも、キレイスッキリいい匂いにしてもらえる(幸せなはずの)シャンプーをするとあまりにも嫌すぎて、次の写真のような遠い目になってしまうガチャコ。
 臭いまま(不幸)でいいと願ってしまうあたり、じつはガチャコも幸せ恐怖症なの……かも!?

 女の子が気楽に生きるのって、どうしてこんなに難しいんだろう。
 これは私がずっと直面し、また考えてきた疑問でした。

 みんなかわいくて、誰かから愛されている大切な存在なのだから、ガチャコほどでなくても、多少ワガママに気楽に生きてみたっていいんじゃないかなと思うのです。
 世の中の女の子たちが、少しでも明るく生きていけるような、ちょっとしたテツガクを、ガチャコから学んでお伝えしていければな、と思います。

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愛されガチャコと愛されたいあくびのくらし

愛されガチャコと愛されたいあくびのくらし

著  者
ポンデ☆あくび
レーベル
eロマンス新書
価  格
454 円(税抜)
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