年下男子にエロ写メを誤送信……

年下男子にエロ写メを誤送信……
第1回

年下男子にエロ写メを誤送信……

2015/05/29公開
◇◇◇

 「黒崎くん、じゃ、今日はしっかり頼むよ」
 そう言うと、課長は部下たちを従えて、陽気に会場へ出かけていった。
 「ったく、課長はともかく、ほかの人たちはなんで手伝ってくれないの?」
 私はぶつくさ言いながら、ビンゴの景品が入った箱を確認した。

 今日は私の働く会社「五島商事」の新入社員たちの歓迎会。
 五島商事は、食品を扱う商社としては業界屈指の存在。
 私は黒崎綾乃(くろさきあやの)。入社11年目。「食に関する仕事がしたい」と入社したものの、配属されたのは人事部。
 でも、日本の食を引っぱる企業の一員としての誇りを持っている。
 人事部採用チームに所属しているので、新人にまつわるイベントは私の担当。
 リーダーとは名ばかり。33歳という年齢で肩書がついているけど、やっぱり男社会では女は雑用をやるはめになる。
 でも、そっちのが気楽でいいか、と最近は割り切ってる。

 みんな、私が寿退社すると勘違いしているみたい。

 私の婚約者・神田直人(かんだなおと)は、私と同期のヤリ手営業マン。
 でも、ヤリ手といってもギラギラしたタイプではなく、なんでもスマートにキメてしまうタイプのニクい男。
 サラサラの前髪が爽やか。私にはとても優しい。いまは名古屋支社に勤めている。
 ま、エリートというやつは若いうちに地方を回らないといけないから。もしかしたら、将来的には海外赴任だってあるかも……。
 でも、まー、そのときはそのとき。
 私は直人に人生を委ねているから。中距離恋愛も板についてきた。
 会えるのは月に一度。あとはスカイプとかLINEで。

 「あっ、やばい……」
 箱の中に入っていたはずの、ビンゴの一等の景品がない。
 たしか、この箱に入れていたはずなのに……。

 あわてて時計を見る。午後6時。
 歓迎会の開始まで、あと1時間。
 景品を買い足して、会場の居酒屋までタクシーを飛ばすか。
 いやー、間に合わない。

 周囲を見回す。みんな歓迎会に向かっているので、人事部長以外はもう出払っている。

 おっ、あいつ……。
 部屋の隅に男子発見。
 たしか、今週から派遣で来ている人。
 細身で長身、無表情。

 「つかみどころがない男の子ね」と女子社員たちがウワサしていた。

 まあ、いい。
 そんなことに気を取られている場合ではないのだ。

 「ちょっとー、派遣くん」
 私はあえて、陽気にぞんざいに声をかける。

 「はあ」
 派遣くんがデスクから顔を上げる。
 なんか、頼みにくー。

 「悪いんだけど、買い物に行ってくれないかな」
 「……」
 無言!? 年下で新入りのくせに生意気。

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年下男子にエロ写メを誤送信……

年下男子にエロ写メを誤送信……

著  者
亮太(東京ゴールデン商会)
イラスト
朝丘サキ
レーベル
eロマンス文庫
価  格
454 円(税抜)
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