義父と乱れる淫らな一夜

義父と乱れる淫らな一夜  ~新妻 由紀の場合~
第1回

義父と乱れる淫らな一夜  ~新妻 由紀の場合~

2015/05/29公開
◇◇◇

 「圭介……できるだけ早く帰ってきてね」

 玄関で夫を見送る由紀の瞳にはいつになく不安な表情が浮かんでいた。
 「大丈夫だよ。出張っていっても一泊だけだから。それに家には親父もいるから心配いらないって」
 圭介は新妻の頭を優しく撫でる。
 たったひと晩留守にするというだけで、こんなに寂しがる由紀がかわいくて仕方がなかった。
 5歳も年が離れているせいもあるかもしれないが、こんなときの由紀はとても幼く見える。
 結婚してまだ半年。
 ひと晩たりとも離れたくないのは圭介も同じだ。
 「……愛してるよ」
 圭介は居間でテレビを見ている父親の幸造に聞こえないよう、そっと由紀の耳もとにささやいて頬に軽くキスをした。
 「じゃ、行ってくるから」


 「親父がいるから心配いらない」と圭介は言っていた。
 ──だが、その『親父』こそが由紀の不安の元凶なのだ。
 圭介の両親は早くに離婚しており、それ以来彼はずっと父親とふたりで暮らしていた。
 そんな彼に、結婚したら3人で同居したいと言いだしたのは由紀のほうだ。
 幼いころに両親を亡くしたからか、父親や温かな家庭というものに対する憧れが人一倍強かったのかもしれない。
 愛する旦那様、そして優しい父親。
 ──おいしい料理をいっぱい作って家族の帰りを待つ生活。
 身寄りもなくずっとひとりだった由紀には、そんな他愛ない日常がとても楽しそうなものに思われた。

 しかし実際に同居生活が始まってしばらくすると、由紀は己の性急さを後悔するようになっていた。
 圭介は由紀を愛してくれているし、幸造も本当の父親のようにとても優しく接してくれる。
 だが、あるときから由紀は幸造に対して一種の不信感を抱くようになっていた。
 異変に気づいたのは結婚してすぐのころ、洗濯ものを干していたときのことだ。
 『……私の下着がない……』
 昨日、入浴のときに脱いだはずの由紀の下着が洗濯ものの中にないのだ。
 洗濯機の中も調べてみたがどこにも見当たらない。
 『どこかにまぎれこんじゃったのかなぁ……』
 不審に思いながらもそのときはあまり深く考えなかった。
 しかしそれが一度ならず二度三度と重なるようになると、さすがに由紀も怖くなってきた。

 夫の圭介に相談したが、
 「外に干していて下着泥棒にやられたんじゃないのか?」
 と、のんきな調子でまじめに取り合おうとしない。
 下着泥棒なら、干したあとになくなるはずだ。
 だが、由紀の下着は干す前になくなっている。
 つまり、家の中で盗まれたとしか考えられない状況なのだ。

 『まさか……お義父さん……? ……ううん……まさか……ね』

 現役の高校教師でもあり、家庭でも優しく紳士的な幸造がそのようなことをするとはとても思えなかった。

 しかしつい最近、新たな事件が起こった。
 圭介と幸造が仕事に出かけたあと、由紀は幸造の書斎を掃除していた。
 そのとき机の下に押し込まれていた紙袋に足を引っかけ、中身が床に散らばってしまった。
 「あっ……と」
 あわてて拾い集めようとして由紀は息を飲んだ。
 床一面に広がったものは、大量のいわゆる『アダルトDVD』だった。

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義父と乱れる淫らな一夜

義父と乱れる淫らな一夜~新妻 由紀の場合~

著  者
アユミ
イラスト
フジキチ2号
レーベル
eロマンス文庫
価  格
454 円(税抜)
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