先生の虜

先生の虜 ~不埒な課外調教~
第1回

先生の虜 ~不埒な課外調教~

2015/05/29公開
◇◇◇

 「あ、あ、先生っ……」
 ねっとりとうなじを這う、赤い舌。
 湿り気を帯びた温かな吐息が、肌の上を流れていく。
 その感触に耐えきれず、安藤エリ《あんどうえり》はかすれた声を漏らした。
 ひとつにまとめていた長い黒髪が、背後の壁にこすれて乱れる。
 華奢な首筋から鎖骨へと舌先を滑らせながら、大沢雅樹《おおさわまさき》が低い声でささやく。
 「昨日は電話に出なかったな。何をしていた?」
 「し、仕事が、遅くなっただけ、です」
 「本当に? エリは嘘つきだからな」
 強く肩を抱かれ、薄い唇をいく度も押しつけられる。
 じゅっ、じゅっ、と肌を吸う音が、静かな部屋の中に響いた。
 白い肌の上に、紫色の花が咲き乱れていく。
 「だ、だめ、跡が、残っちゃう」
 「ふん、見られて困る相手でもいるのか」
 そんな人はどこにもいない。
 知っているくせに、彼はいつでも意地の悪い言い方をする。
 紺色の薄いセーターが、下着ごとめくりあげられた。
 背中でブラジャーのホックが弾け、Eカップの豊かなふくらみがぷるんとこぼれでる。
 照明の落とされた室内。
 窓際から差し込む月明かりに、うっすらと桃色がかった乳首がふるえて見えた。
 「せ、先生」
 「脱ぎなさい、エリ」
 叱責するような口調に、思わず身がすくむ。
 「はい」と小さく返事をして、言われるままにセーターと下着を脱ぎ、真横にあるベッドにそっと置いた。
 くびれた腰にある留め金をはずすと、黒いフレアスカートが足もとに輪になって落ちる。
 いまエリが身につけているものは、控えめなレースがあしらわれた小さなパンティと、膝上丈の黒いストッキングだけだった。
 どきん、どきん、と大きく心臓が脈を打つ。
 ……今夜も、先生にいじめてもらえる。
 壁際に追いつめられ、こうして立たされたまま服を脱いでいくとき、エリの胸は甘い期待に高鳴りはじめる。

 ひとり暮らしの雅樹のマンション。
 6畳ほどの寝室にはシングルサイズのベッドと小さな本棚、そして大きな姿見が置かれている。
 雅樹の肩越しに見える鏡の中には、素肌を撫でまわされ、うっとりと瞳を潤ませているエリがいた。
 「今日はどんな男と話をした?」
 「あ、あの、会社の、ひと、だけです」
 「おまえのことだ、そいつのことも誘ったんじゃないのか」
 「ま、まさか、そんなこと」
 雅樹の手の中で歪められる乳房から、じん、じん、とトロけるようなしびれが伝わってくる。
 手のひらにこすれる乳頭が、恥ずかしいほど硬く尖っていくのが自分でもよくわかった。
 その反応を感じとったのか、雅樹の指が乳豆をとらえ、ギリギリときつくひねりあげていく。
 「いた、い、いやっ!」
 強烈な痛みに、涙がこぼれた。
 指の締めつけは緩まないどころか、さらに力を込めて乳房全体を揺さぶってくる。
 「あっ、ああっ!」
 「本当か? 正直に言え」
 「わ、わたし、先生、だけなの、先生じゃ、ないと、だめ」
 きれぎれになる声で、必死に訴えた。
 ……先生は知っているはず。
 あなたのやり方じゃないと、気持ちよくなれない。
 わたしは、あなただけのもの。
 ねじ切られてしまいそうな痛みが、すうっと引いていく。
 「嘘じゃないんだな」
 「う、嘘じゃない。好き、本当に好きなんです、先生のことだけ」
 銀縁眼鏡の奥から向けられる鋭い視線が、少し和らいだ気がした。

 25歳のエリより、10も年上の雅樹。
 彼はエリが高校3年のときの担任教師だった。
 線の細い、まじめな学者然とした風貌。
 口数が少なく、クールな雰囲気を漂わせており、当時の女子生徒から大人気だった。
 あれから数年が経ち、エリは大人になったのに、雅樹は当時のまま何も変わらない。
 ただ、当時は知らなかった。
 これほどまでに嫉妬深い面があること、そして普通のやり方では女性を愛せない男であることを。

[eロマンスjpの連載情報はツイッターでcheck!]

小説一覧 コラム一覧 コミック一覧
トピック一覧 特集一覧 TOPへ戻る

▼まとめ読みしたい方は書籍購入ページへ▼

全話スグ読める電子書籍はコチラ↓

先生の虜

先生の虜~不埒な課外調教~

著  者
マイマイ
イラスト
柾木見月
レーベル
eロマンス文庫
価  格
454 円(税抜)
※各配信書店で販売金額が異なる場合があります。

以下の書店名をクリックすると、電子書籍版の購入ページへ移動します。

配信書店の一覧はこちら