裏切りのマリアージュ

裏切りのマリアージュ 花嫁は幼なじみにさらわれる
第1回

裏切りのマリアージュ 花嫁は幼なじみにさらわれる

2015/05/29公開
 庭の片隅に設置された古い物置小屋の中。
 小さなオレンジ色の電球だけが照らし出す狭い空間には、使われなくなった農機具や壊れた家具が乱雑に積まれている。
 そして。
 砂利の散らばった板張りの床の上では、ひとりの女が長い黒髪を振り乱して泣き声を上げていた。
「やめてよ……。もう、こんなことやめて……」
 華奢な肩をふるわせてしゃくりあげながら、瀬野愛花(せのあいか)は体を捻じって必死に男の手から逃れようとしていた。
 その声に動じることもなく、黒塚雄也(くろづかゆうや)は細い縄を器用に操って愛花を柱に縛りつけていく。
 普段は魅力的にも思える切れ長の瞳が、ぞっとするような憤怒の色に染まっている。
 肩に届く薄茶色の髪は怒りに逆立って見え、すらりとした長い手足には洋服の上からもわかるほど筋肉が浮き出し、野生の猛獣のように見えた。

 ああ、この目は。
 意地悪なときの雄也くんだ。

 この目を見るたびに、愛花は自分が何かひどい失敗を犯したような気持ちになる。
「おまえが悪いんだ! 馬鹿にしやがって」
「い、いや、苦しいよ、いやあっ」
 どんなに抵抗しても、大人と子どもほども体格差のある雄也にかなうはずもない。
 タートルネックのセーターが下着ごと胸の上までたくしあげられ、透けるように白い乳房がこぼれ出る。
 そのやわらかな肉の上にも縄がぎっちりと食い込み、小ぶりな乳丘がいやらしく強調されていく。
 両手を背中のうしろ側で縛られ、つんと突き出た桃色の乳首を隠すこともできないのが恥ずかしくてたまらない。
「わ、わたしが何をしたっていうの。ねえ、雄也くんっ」
 雄也は答えない。
 愛花を押さえつけたまま、肉房が潰れるほどの強さで胸を揉みしだく。
『嘘つき』
『許さない』
『おまえが悪い』
 繰り返される言葉は、どれひとつとして意味がわからない。
 雄也は幼い頃に隣の家に住んでいた幼なじみだったが、昨日、再会するまで10年近く会うこともなかった。
 これほどまでに怒りをぶつけられる理由が、何ひとつ思いつかない。
 紫色の痣が点々と浮かびはじめた乳房に、雄也が顔を近づけて舌を伸ばしてくる。
 熱く濡れた舌に乳頭をくるまれた瞬間、腰がビクンと跳ねた。
 じんわりとした痺れが、乳腺を伝って脊髄へと流れ込んでくる。
 腹の奥が小さな火を灯されたように熱くなっていく。
「やっ、あ、あっ」
「あいかわらずいい声だな。もっと聞かせろよ」
 乳輪の外側までを口の中に含まれる。
 ねっとりとした口腔粘膜の感触に肌が粟立つ。
 じゅるっ、じゅるっと大きな音を鳴らして吸いたてられるたびに、体の奥のいちばん敏感な場所をくすぐられるような感覚があった。
 肌に与えられる、くらくらするほどの快感。
 それは同時に、悪夢のような遠い記憶を呼び起こす。
 何年も前、寒い冬の日。
 雪のちらつく夕方、今日と同じようにこの場所に連れ込まれて。
 破られた服、踏みつぶされたチョコレートケーキ。
 胸やけするような甘い匂いの中で襲われた。
 気が遠くなるほど長い時間をかけて。
 何度も、何度も。
 昨日だって、そうだった。
 前触れもなく家にやってきて、無理やりわたしを……。
 ギリッと乳頭の先に歯を立てられ、激痛に思考が中断する。
「やっ、いやあっ!」
「嫌なわけないよなあ、こんなにビンビンになってんのに」
 勃起しきった突起を、きりきりと上下の歯で揉み込まれていく。
 ひどい痛みは続いているのに、その奥底からじわりじわりと体の芯がとろけるような快感が染み出してくる。
 そこから広がる甘い痺れが、手足の指先、髪の一本一本にまで浸透していく。

[eロマンスjpの連載情報はツイッターでcheck!]

小説一覧 コラム一覧 コミック一覧
トピック一覧 特集一覧 TOPへ戻る

▼まとめ読みしたい方は書籍購入ページへ▼

全話スグ読める電子書籍はコチラ↓

裏切りのマリアージュ

裏切りのマリアージュ花嫁は幼なじみにさらわれる

著  者
マイマイ
イラスト
藤野祐喜
レーベル
eロマンス文庫
価  格
454 円(税抜)
※各配信書店で販売金額が異なる場合があります。

以下の書店名をクリックすると、電子書籍版の購入ページへ移動します。

配信書店の一覧はこちら