年下男子はSでした

年下男子はSでした 初めての調教エッチ
第2回

年下男子はSでした 初めての調教エッチ

2015/12/28公開
 しかし続く大輔の言葉に、美里はもっと落胆させられることになった。
 「長いあいだお世話になりました。社内の異動で担当地域が変わることになりました」
 「えっ……」
 突然のことにショックを受け、言葉を失う。
 「えっ……それじゃ、もう栗田さんは……」
 ようやく言えた言葉はそれだけ。
 「はい、俺がここに来るのは今日までで、明日からは新しい担当者が来させてもらいます」
 「そう、なんですか……お疲れさまでした」
 驚きのあまり、結局簡単な労いの言葉しかかけられず、いつもと同じそっけない対応で、美里は大輔と別れてしまった。


 それからの美里の日常は味気ないものになってしまった。平日は自宅と会社を往復するだけ。休日もランチやスーパーに買い出しに出かけるとき以外はマンションの部屋にこもりきり。
 いや、それ自体は以前と大差ないのだが、ときどき大輔に会えるという心が浮き立つ刻《とき》がなくなった。
 そのことで自分の心の中で大輔の存在がとても大きいものになっていたことに気づき、なぜもっと話さなかったのか、なぜ自分からアクションを起こさなかったのかと後悔するようになった。
 その鬱憤《うっぷん》を、美里は買い物で晴らすようになる。
 もともと美里は、下着を集める趣味があった。
 学生時代から周囲の人たちにまじめだが、おとなしくて地味な子というイメージを持たれていた美里は、そのイメージを崩さないよう、周囲の期待を裏切らないよう、表向きつつましく生きてきた。
 買う服はコンサバティブなものばかり。フェミニン系やセクシー系に憧れることはあったが、まわりの目を気にして買うことができない。
 恋愛にも積極的になれず、自分から告白したことはおろか、目当ての男子が告白してくるように仕向けるアクションも起こせない。
 そんな美里だから、合コンに誘われるときは相手のグループとの人数合わせ要員。
 サークルや職場で飲みに誘われても必ず一次会で帰る。もともとまじめでハメを外さない性格と思われているから、それでも文句は言われない。
 本当は自分もハメを外して騒ぎたい。熱い想いに衝《つ》き動かされるまま、恋に身を焦がしたい。そんな熱い願望を持ちながら、美里は周囲の目を気にして何もできずにいた。
 そのことが無意識にストレスになっていたのだろう。
 服や行動で冒険しないぶん、いつしか美里は下着でストレスを発散するようになった。
 地味なコンサバ系の服の下に高級な下着を着けることで、秘めた情熱を慰め、外に噴き出さないよう心の内に押しとどめていた。
 そしていままた、大輔に想いを伝えることができないまま会えなくなってしまった後悔が生んだ新たなストレスを発散するため、美里はなじみの下着通販サイトにアクセスした。
 いつもより大きなストレス抱えた美里は、いつもよりも派手で、いつもよりも大胆な下着をカートに入れていく。
 「ちょっと買いすぎちゃったかな……かなり大胆なのも買っちゃったし」
 買い物を終えて、言葉とは裏腹にちっとも後悔していないふうでひとりごとを言いながら精算ページでカード番号を入力。
 「発送は明日……いつもどおりなら明後日には到着するわね、楽しみ」

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年下男子はSでした

年下男子はSでした初めての調教エッチ

著  者
田中まさみ
イラスト
wara
レーベル
eロマンス文庫
価  格
454 円(税抜)
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