おいしい彼氏

困 惑 「しかたねぇな。まあ、俺のせいか」
第3回

困 惑 「しかたねぇな。まあ、俺のせいか」

2016/03/01公開
 どうしてこんな目に遭っているのだろう。
「きゃ……」
 脚から下着ごとズボンが抜かれた。縛られた手で抵抗しようとしたが、遅かった。典史が成美の脚を大きく開き、あろうことか股間に顔を埋めた。
「うそ……ちょ、ひっ」
 舌が女陰を愛撫する。そんなところを口でされたことのない成美は、パニックに陥った。
「やだっ、ねぇ、なんでそん……あ、あぁ」
 女核を舌で転がされ、成美は快楽にのけぞった。ためらうことなく動く典史の舌に、成美の意識が翻弄される。
「はっ、ぁ、やだっ、ぁ、ああっ、あ」
 涙がにじむ。腹の奥が熱く溶ける。成美はひたすら困惑しながら、快楽に打ち震えた。
「あっ、だめっ、や、ぁ、ああ、あ」
 体の奥が、グズグズにとろけていく。それがあふれて典史の舌と絡んでいる。成美の快感の波を、典史の舌が直接、味わっている。
 成美は小さな子どもがイヤイヤをするように首を振りつつ、縛られた手で典史のクセ毛頭を叩いた。羞恥が淫楽を引き立てて、思考が掻き乱される。
「やだっ、や、イイから、やなのぉお」
 何を口走っているのか自分でもわからなくなりながら、成美は抵抗にもならない抵抗を続けた。
「ひうっ」
 強い刺激を女核に感じる。歯を立てられたのだと気づく余裕もなく、次の刺激を与えられ、成美はボロボロと涙をこぼして喘ぎ続けた。
 そして、とうとう――。
「あ、あぁあああっ」
 折れそうなほどにのけぞりながら、成美は官能の叫びをほとばしらせた。体中を駆け巡っていた快楽が弾け飛び、余韻が肌を優しく包む。ボンヤリとした意識で、典史が離れたことを感じたが、指先を動かすだけでも気だるくて、成美は視界に入った天井の蛍光灯を眺めた。
 典史はすぐに戻ってきた。成美は彼にキッチンペーパーで下肢を拭われ、ショーツを穿かされる。
「着替え」
 頬を軽く叩かれながら言われて、成美はノロノロと体を起こす。空気に重さがあるように感じるほど、動くのがおっくうだ。
「しかたねぇな。まあ、俺のせいか」
 典史がぶつくさ言うのを聞きながら、成美は彼の手で制服から私服に着替えさせられた。途中で意識がはっきりしてきたが、正気を取り戻したと知られるのが恥ずかしい。
「よし」
 成美を着替えさせた典史は、恥ずかしがる様子もなく目の前で制服を脱ぎ、着替えはじめた。成美は見るともなしに、典史の着替えを眺めた。
 細いと見えていた典史の体は、ほどよい筋肉に覆われ、引き締まっている。たくましいと言ってもよさそうな体躯だった。腰は細く、脚はすらりと長い。女の脚とは違う太ももを眺める成美は、典史の股間がふくらんでいることに気づいた。
(最後まで、されなかったな)
 どうして典史は、あそこまで攻め立てておきながら、自分の欲を発散しないのだろう。成美の目から見ても、充分に興奮しているとわかるほど、股間をふくらませているというのに。
 成美の視線に気づいた典史が、ニヤリと口の端を持ち上げて、両手で胸を隠した。
「えっち」
「なっ! どっちがよ」
 勢いで立ち上がった成美の腰に、典史の腕が絡んだ。あっと思った瞬間、唇を塞がれる。
「俺のほうが、えっちだな」
 悪びれもせず、典史が言う。毒気を抜くほど底抜けに明るく、屈託のない笑みを向けられて、成美は二の句がつげなかった。
「戸締まり確認して、帰ろうか」
 軽く肩を叩かれて、問い詰めるタイミングを逸してしまった成美は、不満を全身で表しながらうなずいた。

[eロマンスjpの連載情報はツイッターでcheck!]

小説一覧 コラム一覧 コミック一覧
トピック一覧 特集一覧 TOPへ戻る

▼まとめ読みしたい方は書籍購入ページへ▼

全話スグ読める電子書籍はコチラ↓

おいしい彼氏

おいしい彼氏豹変イケメンに翻弄されています!

著  者
水戸けい
イラスト
wara
レーベル
eロマンス文庫
価  格
454 円(税抜)
※各配信書店で販売金額が異なる場合があります。

以下の書店名をクリックすると、電子書籍版の購入ページへ移動します。

配信書店の一覧はこちら