CEOは激しく奪う

CEOは激しく奪う デートガールは甘美な淫戯に濡れ乱れ
第3回

CEOは激しく奪う デートガールは甘美な淫戯に濡れ乱れ

2016/08/30公開
 理沙は完全に男性を見下しながら生きていた。
 それというのもこの仕事に就いた理由がセクハラで退職したことや、以前二股をかけられたことなど、女性を見下している男性がいると知ったからだった。そして世の中で得をしているのはそういった人間だと思うようになった。
 SNSを使って集客をしていても、寄せられる言葉はあまりいいものではない。デートをするだけと書いてあるにもかかわらず、ほとんどは身体の関係を求めてくる。
 ――まぁ、それをうまくかわすのがこの仕事のコツでもあるんだけど……。
 どれだけ甘い言葉をかけられても、男性が使う言葉の目的はすべて肉体関係が目当てなのだとわかれば、かわすコツはおのずと習得できる。そしてそのコツを身に着けはじめると同時に、理沙は男性を異性として見れなくなっていった。
 もうドキドキも、胸がキュンとなる想いもいらない。
 ただ求めているのは、自分を養う対価だけだった。そして、その対象でしか見ていなかった。
 土曜日のコンパニオンの仕事は、ほかの予定をキャンセルして行くことにしたと理沙は近藤に伝えた。
 近藤は理沙の思惑どおりに返答の電話でデレデレした声を出して喜んでいた。
 仕事の内容は2時間で、多少身体をさわってくる人もいるけれど、コンパと同じようなものだと思って、断っても支障はないと近藤は言った。
 理沙はそんなこと当然の権利だと言いたかった。

「みんな僕が知ってる人だし、ずっと僕のそばにいてくれればいいから」

 と近藤が言った。理沙はそのとき「はい」と答えた。声を弾ませて、なるべく近藤がいい気分になるように返事をした。



 土曜日の夕方、ホテルの前で5人のコンパニオンと待ち合わせ、宴会会場に入る。

「見ない顔ね。あなたはどこから?」

 コンパニオンのリーダーから理沙は聞かれる。どことなく高圧的な声色に、理沙は心が委縮しそうになるのを感じた。

「どこ……、から?」

「事務所よ。イレギュラーな人が入ってくるのは地方タレントが裏で仕事をもらってることが多いの」

「あ、そういうのではないですよ。個人で男性と会って、お金をもらっている仕事をしているので……」

 理沙が話している合間をぬって、別のコンパニオンが話しかけてくる。

「あら、愛人?」

 意地の悪い笑みを理沙に向けてきていた。理沙は内心ムッとしたが、それでも2時間耐えれば仕事は終わるのだと自分に言い聞かせ、イラだつ心を抑えた。

「みなさんみたいに、プロでやってないだけですよ」

 できるだけ笑顔を見せて、理沙がそう答える。いまの発言は皮肉にとられそうだと思ったが、向こうが先に皮肉を言ったのだから気にする必要もないと思った。

「あら、そ。まぁせいぜい“粗相(そそう)”しないようにしてね。太い取り引き先だから、今後もお仕事もらっていかないといけないのよ」

「わかりました」

 理沙が頭を下げてそう言うと、見下しながら相手は「よろしくね」と、嫌悪を含んだ声で返すのだった。

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蓮華の咎 ドSな双子は淫靡に激しく奪いあう

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CEOは激しく奪う

CEOは激しく奪うデートガールは甘美な淫戯に濡れ乱れ

著  者
本阿弥香澄
イラスト
ルシヴィオ
レーベル
eロマンス文庫
価  格
454 円(税抜)
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