淫魔に捧げた肉体

[1-1]淫夢
第1回

[1-1]淫夢

2017/03/31公開
 ギシギシとベッドのスプリングがきしむ音に混じり、どこか遠くのほうで工事でもしているような、腹の底に響く振動音がする。
 黒いカーテンに、黒いシーツ、コンクリート剥き出しの壁。ブティックホテルのような内装だ。
 彼女がなまめかしく動くたびに天上からぶら下がる鎖がガチャ、ジャリと金属的な音を立てる。両手首を革の手枷(てかせ)で拘束され、バンザイをした状態で天井から鎖でつながれ、ベッドの上にひざ立ちしている状態だ。
 ベッドの横には2人掛けの赤いソファがあり、そこには浅黒い肌に厚めの唇、鋭い双眸(そうぼう)に男らしい顎をしたまるでギリシャ神話に出てくるような美丈夫が腰かけている。彼は一糸乱れぬ完璧なまでのスーツ姿で優雅に脚を組んで彼女の恥ずかしい姿を見つめていた。
 純白の透けたレースのブラとショーツ、ガーターベルト、黒のシルクストッキング姿の彼女は匂い立つような色気を醸し出している。
 色の白い彼女の肌は熱を持ちピンク色に染まり、その肌にそれらは妖艶に映えた。
 彼女の体は前後左右になまめかしく揺れ、ときおり腰をビクンビクンと大きく跳ねさせた。
 喉もとからうめき声が漏れたかと思うと、鼻にかかった媚びた声が漏れている。しだいに豊満な胸を震わせはじめた。絶頂が近づいている証だ。
 息遣いが荒々しくなってきた。
 部屋の温度が急に上がったことで、熱気を感じる。彼女の息遣い、体温から熱が発散されているのだ。女の欲情した蜜の匂いが立ち込めている。

「ふぅ……んんっ」

 尻を横に振ったかと思えば、ビクンと前後に大きく揺れる。そのたびに彼女は肌を赤く染めた。

「ここまでおまえの女の匂いが充満しているぞ。そんなに尻に突っ込まれたものが気持ちいいか?」

 彼が嘲笑するように乱暴な言葉遣いをする。そのダイレクトなもの言いは、彼女に羞恥を与えた。

「ひぃんんっ――」

 声はあえぎ声になるばかりで、答えることができない。質問に答えなければどんなお仕置きが待っているのか彼女は知っていた。
 羞恥と興奮がない交ぜになり、瞳に官能の涙が浮かぶ。

「答えろ。どんなふうに気持ちいいんだ?」

 彼女はその質問に答えようと必死だった。しかし口を開ければ嬌声が漏れるばかりで、言葉にならない。

「ふぅんん……いいっ――はふっんっ……いいっ」

 彼の笑い声が彼女の子宮に響き、蜜が泉から溢れ出し下着を濡らした。熱い蜜は空気に触れしだいに冷たくなり、その感触さえも悩ましく、彼女に快感をもたらす。
 後孔で悩ましく震える細長いバイブの振動がさらに強くなり、彼女は甲高い声を上げた。
 ビクンビクンと体を跳ねさせる。
 熱湯を血管に流されたかのように、血が煮えたぎり、全身が沸騰したみたいに熱くなったかと思うと、視界が白くかすんだ。もう声さえ出ない。

「ケツだけでいったのか? はしたないな、紗季(さき)。もうそのショーツはぐちょぐちょに濡れてるんだろう。よく見せてみろ、太ももに蜜が流れ落ちているんじゃないか?」

 彼がゆっくりと立ち上がる。彼女は期待に胸が高鳴り、潤んだ瞳を彼に向けた。
 彼はベッドの端に立っている。拘束されていなければ手が届くほど近い。
 彼は屈むと彼女の股間と太ももを凝視する。
 羞恥でまた体温が上がり、秘所に隠れる真珠のような粒がジンと甘くうずいた。それだけで達してしまいそうなほど彼女の体は敏感になっている。
 彼女がその先を欲して切なく腰を揺らしているのに彼は彼女に触れようとはしない。限界まで焦らすことを楽しんでいるのだ。
 それが、彼が彼女に教えた究極の快楽だった。彼が彼女を支配しコントロールする。支配者の彼にすべてをゆだねることを知った彼女は彼に支配されればされるほど興奮と快感が増していく体になってしまっている。

[泉怜奈 作品一覧]
女王さまは下僕に溺れる SとMの淫楽の鍵
ヴァイオリニストの潤愛 乙女は極上の快楽に喘ぐ
愛執の忘却 囚われた身体と消せない淫欲
再会の罠 狂おしく抱かれ乱されて

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淫魔に捧げた肉体

淫魔に捧げた肉体

著  者
泉怜奈
イラスト
純友良幸
レーベル
eロマンス文庫
価  格
454 円(税抜)
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