淫魔に捧げた肉体

[4-5]疑念
第19回

[4-5]疑念

2017/04/18 ~ 2017/04/25 まで公開
 彼の両手が彼女の頬にあてがわれる。その熱に紗季の心はジンとしびれた。見つめあったまま近づいてくる瞳。その瞳に魅入られているうちにやわらかく唇が重なった。
 以前の彼はこんなことはしない。彼女を陵辱するように拘束し、羞恥を与え、奥深くに隠された秘密にしておきたい醜態をさらけ出される。
 いまの彼はとてもやさしい。
 じれったいほどのやさしさに紗季は戸惑いながらも受け止めた。彼を愛していることには変わりない。たとえ彼から支配的な一面が消えても。いまのようなやさしく、そして我を忘れて紗季を執拗に求めてくる彼も愛してる。
 結局彼の本質は変わっていないのだと気づく。彼女を求める獰猛な彼自身は。
 そのことに気づいた紗季は、彼に愛されていたことを思い出した。記憶はなくとも、いまの彼も甲斐仁雄には違いない。どんな方法でも彼は自分を求めずにはいられないのだから。

 ――あたしは彼に愛されている。

 紗季はそう確信することができて、歓喜で涙が溢れだしそうになった。彼が欲しくてたまらなくなる。彼女も本能のまま彼を求めた。もう何も恐れるものはない。
 彼にしがみつくようにして、もっと強く、もっと深く唇を重ね、自分から舌を差し入れた。
 彼の息遣いが荒々しいものに変わり、紗季も興奮を覚える。挑発するように胸を押しつけ、官能的なダンスを踊るように妖艶に体を揺らした。
 彼の手が頬から離れ体をいじり始める。触れられた箇所からぞくぞくと甘美な震えが充満する。

「ん……ふぅ……むんんっ」

 塞がれた口から吐息に混じりに甘い声が漏れた。
 彼が荒々しく服を脱がせる。紗季も同じように彼の服を必死で脱がした。お互い夢中で、もつれあいながら、本能のままに求めあう。
 彼がここまで我を忘れ彼女を欲していることに喜びを感じていた。
 部屋着用に着ていたカフタンワンピースだけだった紗季はあっという間に素っ裸にされた。彼はシャツを脱いだだけだった。
 熱烈なキスをしながら、壁まで追い込まれる。もう行き場がなくなったそのとき、彼が唇を離し、彼女の前にひざまずいた。
 鋭く息を吸い込むも、彼の行動のほうが早かった。彼女のむき出しのやわ肌に彼は唇をつけた。
 甘い戦慄に全身が覆われる。紗季は彼の頭を両手でくしゃくしゃにしながら身悶えた。
 喉をさらけ出し、顔を横に振りながら。官能の涙を溢れ出させる。

「ん、はぁ……いいっ、気持ち……いい、ときお……」

 男らしい彼の浅黒い顔が舌を動かすたびになまめかしく頭が上下する。ぴちゃぴちゃと恥ずかしい音をさせ、そこをなめられるとたまらなく感じてしまう。
 紗季は夢中になった。彼の指が溢れだす蜜をすくうとそれをうしろの孔にこすりつけた。快感を知っているその場所は少し触れられただけで腰から力が抜けてしまう。悲鳴のような声を上げそうになったのを寸前で唇をかんで押しとどめた。
 彼の指が入口をやさしくほぐし、徐々に押入ってくる。その圧迫感さえも快感となっていた。
 敏感な突起を舌で転がされ、唇で食まれるたびに腰が震える。後孔に入った指はもう奥深くへ侵入していた。そのとき蜜が溢れだす女の蜜孔にも彼の指が押し込まれた。しとどに濡れているそこはなんの違和感もなく彼の指をくわえこんでいく。
 すべての孔を指で埋められ、紗季は息も絶え絶えにあえぎ、快感に打ち震えた。

[泉怜奈 作品一覧]
女王さまは下僕に溺れる SとMの淫楽の鍵
ヴァイオリニストの潤愛 乙女は極上の快楽に喘ぐ
愛執の忘却 囚われた身体と消せない淫欲
再会の罠 狂おしく抱かれ乱されて

[eロマンスjpの連載情報はツイッターでcheck!]

全話スグ読める電子書籍はコチラ↓

淫魔に捧げた肉体

淫魔に捧げた肉体

著  者
泉怜奈
イラスト
純友良幸
レーベル
eロマンス文庫
価  格
454 円(税抜)
※各配信書店で販売金額が異なる場合があります。

以下の書店名をクリックすると、電子書籍版の購入ページへ移動します。

配信書店の一覧はこちら