甘美な束縛懲戒

束縛懲戒の果てに(2)
第15回

束縛懲戒の果てに(2)

2017/05/18 ~ 2017/05/25 まで公開
「いい眺めですよ、佳織さん」

 スパンキングの疼きが残るお尻に触れながら言われ。

「いやです……言わないで」

 恥ずかしさに身をよじると、お尻をピシャリと叩かれた。
 痛い。でもそれは束縛懲戒のフェティシズムを持つクロードの愛情表現。
 そしてそれを受け入れることが、自分の悦び。
 佳織はもうはっきりと認識し、それを受け入れられる自分を誇らしく思っていた。

「動かないで」

 だから、そう言われて。

「はい」

 と応えて、じっと羞恥心に耐える。
 クロードがお尻を包むショーツに手をかける。そのままずり下される。

「ひっ、やっ……」

 一瞬、反射的に拒もうとして、でも恥ずかしさに耐えて動かない。

「すっかり潤ってますね、佳織さん」

 タイをゆるめ、シャツのいちばん上のボタンを外しながら、クロードが羞恥心をあおる。

「恥ずかしい……」

「恥ずかしくありませんよ。私はそんな佳織さんが大好きです」

 そう、彼ははじめから佳織のことが好きだったのだ。

『ひと目見て、あなたのことが好きになりました。私のメイドは、あなたしかいません』

 佳織を大使館のメイドに誘うとき、クロードはそう言った。
 その『好き』は『LIKE』でも『LIKABLE』でもなく『LOVE』の意味だったのだと、いまならわかる。
 佳織のことが好きになって、好きな女性と秘めていたフェティシズムを共有できるとわかって、彼が心の底から喜んでいることが伝わってくる。

(だったら、わたしも彼と彼の想いを受け入れよう)

 そう心に決めて、佳織は好きな男性とフェティシズムを共有できる悦びのなかに身を投じる。

「佳織さん……」

 その声とともに、暑くて硬いものが、佳織の入り口に押し当てられた。

「はっ、ふぁ……」

 しびれるような快感と、さらなる悦びへの期待に、吐息を漏らす。

「佳織さんのここ、すごく熱いです。熱く火照って、悦びの蜜がとめどなく溢れています」

 すると興奮を押し殺したような低い、でも内に熱量を含んだクロードの声。

「期待しているんですね、佳織さん」

 そうだ。佳織は期待している。

「私もです」

 同じように、クロードも期待している。
 その期待に応えることに、もうためらいはない。彼と彼の想いを受け入れると決めたのだから。

「来て……ください」

 佳織が迷いなく求めると、彼が熱い剛直をゆっくりと突き挿入れた。

「あぁ、ふぁ……」

 ゾクゾクとするような快感が湧きあがり、自然と声が漏れる。
 縛められた不自由な指でシーツをつかみ、くるおしい快感に身を震わせる。

「佳織さん、なんて……」

 クロードの感きわまったような声。それで彼もまた気持ちよくなっているのだとわかった。

(わたしが、彼を……)

 気持ちよくさせているんだ。そう思えることで心が満たされる。
 ゆっくりと、いたわるように奥まで突き挿入れられて、身体も満たされる。

「はぅうん……」

 クロードがゆっくり引いていく。
 彼の剛直に濡れそぼる肉壁をこすられ、自然と声が漏れる。
 そして引ききったところから、ふたたび押し込まれる。
 ゆっくりと、ゆっくりと、クロードの剛直を佳織の中になじませるように。
 少しずつ、少しずつ角度を変えながら、佳織のいちばん感じるところを見きわめるように。
 押して、引いて。また押して、引いて。佳織の中をクロードが味わいつくす。
 淫蕩な肉を彼にまとわりつかせ、クロードの剛直がもたらす快感を、佳織が味わいつくす。

(なぜ……)

 こんなに気持ちいいんだろう。

(どうして……)

 こんなに昂ぶるのだろう。
 男性との交わりで、それもたった数回のストロークで、これほど高まってしまうなんて、初めての経験だ。

「それは私がSで、佳織さんがMだからですよ」

 恍惚とし始めた佳織が思わず口走ると、クロードが答えた。
 市民の作法で貴族に接する粗相をしてしまい、束縛懲戒を受けることになった佳織は、甘美な痛みのなかでほのかな快感を得た。その快感を指摘され、自覚させられ、さらに大きくされて、絶頂に追い上げられた。
 その絶頂の余韻が残るなかで抱かれているから、かつてないほど感じているのだろう。
 その意味では、彼の言葉は間違っていない。

[田中まさみ 作品一覧]
淫靡な絵画教室
御曹司の淫惑調教 甘美な罠に堕とされて
年下男子はSでした 初めての調教エッチ
ドS社長は緊縛師 熱い指に囚われて

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甘美な束縛懲戒

甘美な束縛懲戒ご主人さまはイケメン大使

著  者
田中まさみ
イラスト
不破希海
レーベル
eロマンス文庫
価  格
454 円(税抜)
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