麗しの王子の悩みとメイドの受難【電子書籍版】

麗しの王子の悩みとメイドの受難
第1回

麗しの王子の悩みとメイドの受難

2018/01/25公開

プロローグ ~突然の求婚~

 それは、まさに晴天の霹靂ともいうべき出来事だった。
「僕と結婚してくれ!」
 そう言いつつ、自分の足元に跪く――いや、足に縋りつく自国の王子に対し、エリシュカはもげそうなほど首を左右に振る。
「無理です!」
 もう何度、同じやりとりをしただろう。
 エリシュカは涙目になりながら、謁見の間の玉座で二人を見守る国王に助けを求めた。
 しかし、国王も彼女と同様に縋るような目でエリシュカと彼女の足にしがみつく息子を見つめている。
「エリシュカ、私からも頼もう。ユリウスの伴侶となっておくれ」
「む、無理です!」
 この人たちは何を言っているのだ。
 ここは普通、一時の気の迷いだとユリウスを諫めたり、王子を誑かしたとエリシュカに対して激怒したりする場面だろう。なぜなら、彼女は城に仕えているメイドなのだから。
 それなのに、国王もその側近も、なぜか彼女が女神だといわんばかりの表情で、胸の前で両手を握り締めて祈っている。
 側近の男に至っては涙を流しているほどだ。
「エリシュカ、貴女のご心配はわかります。ですが、最下層とはいえ貴女も男爵家のご息女です。正直、顔もスタイルも平凡ですが、そんなことは関係ありません!! ユリウス様が貴女に欲情するとおっしゃっているのですから!」
 最下層だとか平凡だとか失礼な言葉はこの際どうでもいい。ド田舎の小さな領地しか持たない男爵家の娘というのは事実だ。
 しかし、「王子がお前に欲情しているから結婚しろ」とは飛躍しすぎである。
 エリシュカは眩暈を覚え、額に手を当てた。
 一体どうしてこんなことになってしまったのだ。
 ユリウスが自分の足に縋りつく理由――この求婚のきっかけとなった事件を思い出し、エリシュカは昨夜の自分の失態を呪った。
 いや、昨夜のことはほんのきっかけに過ぎない。
 それよりも、エリシュカはもっと早く気づくべきだったのだ。
 ユリウスの一貫した行動の意味、麗しの王子の悩みに――……。

[eロマンスjpの連載情報はツイッターでcheck!]

全話スグ読める電子書籍はコチラ↓

麗しの王子の悩みとメイドの受難【電子書籍版】

麗しの王子の悩みとメイドの受難【電子書籍版】

著  者
皐月もも
イラスト
氷堂れん
レーベル
eロマンスロイヤル
価  格
1200 円(税抜)
※各配信書店で販売金額が異なる場合があります。

以下の書店名をクリックすると、電子書籍版の購入ページへ移動します。

配信書店の一覧はこちら