年の差を埋めるのは食欲? 20代イケメンと焼き鳥ハッピーバースデー。

年の差を埋めるのは食欲? 20代イケメンと焼き鳥ハッピーバースデー。
著:内藤みか
こんにちは。作家の内藤みかです。
私には長年の悩みがあります。
それは20代前半の男子しか愛せない! という自分の性癖です。
……20代のうちはまだそんなに年も離れてないんでよかったんです。ちょっと年下が好きなだけと思っていたし、自分が年をとれば恋愛対象の年齢も上がってくる。そう思ってました。
しかし! 私が30代になっても40代になっても、私がおばさんになっても……! 私はあいかわらず恋愛対象が20代前半の男性なのです。

人並みの恋愛がしてみたくて同年代とお見合いをしたこともあるし、デートしたこともあります。でも、ダメでした。
「やっぱりダメええええ!」
と、20代男子のところに舞い戻ってしまうのです……。

幸いにもこの世には、熟女好きな男の子というのが少数ですが存在していますので、こんな私も相手をしてもらえるのですが、年を重ねるにつれてどんどんその数は減っています。
そりゃそうですよね。
30代のおねえさんとデートはできても40代のおばさんとじゃ、へたしたらお母さんよりも年上ですもんね……。数が減るのはあたりまえかなと思います。

こんな自分なので、常に年齢についてはコンプレックスを感じております。なにしろいまは、自分の年齢の半分くらいしかない男の子がお気に入りなもので……。お互いに年齢には触れないようにしていたんです。

でもある日、誕生日にトシの数だけ焼き鳥をプレゼントしてくれる、そんなイキなサービスをしているお店があるという話を聞きました。
ちょうど私の誕生日がもうすぐだったので、彼に話を持ちかけてみると「絶対行きたい!」と目を輝かせるのです。
そりゃそうですよね、彼の年齢だったら20本と少ししか食べられませんが、私の年齢だったらいっぱい食べられちゃうんですから。私の年だからこそ食いしん坊の彼のお腹を満たしてあげられるんです。
私がうんと年上でよかったな……。
初めてそう感じた瞬間でした。
「で、何歳だっけ? 70だっけ? 80だっけ?」
彼はふざけてそんな軽口を叩くくらい嬉しそうでした……。

そして迎えた焼き鳥の当日。
さすがにふたりで40本は多いという話になり、お互いの共通の友人をふたり呼んで、4人で賑やかに焼き鳥をいただくことになりました。

出てくる、出てくる……。
びっくりするくらい次々と焼き鳥が運ばれ、私たちは黙々とそれを口にしました。
お店もちゃんと気づかってくれて、つくねが4本、ハツが4本……と、人数分の串が出てくるんです。
44本なので……ひとり11本!
食べきれなくて最後はイケメンくんに手伝ってもらったくらい、お腹いっぱいになりました。
これを無料でいただけるなんて……。
申し訳ないやら、ありがたいやら……。

それなのに彼は若いからまだ食べられるらしく、
「ねえ、70本じゃないの? まだ来るよね?」
なんて私をからかうのです。
「なんで~? 私、70じゃないもん!」
「え~? ずっと70くらいだと思ってた!」
彼、そう言ってずっと笑ってるんです。
年齢差が笑いになるなんて……。
もう……。焼き鳥のおかげで年齢差コンプレックスも一気に吹っ飛んだ気がします。

帰り道、友だちと別れてふたりで歩きながら、今度は彼の誕生日にまた焼き鳥屋さんに行こうねという話になりました。
「でも僕は20本くらいだから分けてあげないよ。全部自分で食べるんだからね」
「ひどい~」
「いいじゃん、独り占めしたいんだよ」
「じゃあ私はあなたを独り占めしたい」
「……いま、してるじゃん」
そんな話をしながら帰りました。
最高に楽しいバースデーでしたよ!


※写真はイメージです。本文とは関連ありません。

(写真協力/玉永賢吾 撮影/内藤みか)
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[プロフィール]
内藤みか

作家&イケメン評論家。イケメンのことを妄想しそれを作品にする日々。
twitter @micanaitoh

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