eロマンスロイヤル大賞

2026 eロマンスロイヤル大賞
選考結果発表

応募総数404作品

金賞
  • 乙女ゲーの世界に転生したら、攻略対象外の推しの義父(皇帝)が執着してきてやばい
    著者:黒瀬るい
選評

もはやド定番となった「乙女ゲーム」モノで、ヒロインがモブでオタクで「推し」を見守るという王道設定ですが、本作はヒロインのリザの相手が「推し」の皇太子(カップル)ではなく、その義父という展開が一味違っていました。冒頭の「推し」のために啖呵を切るシーン、「推し」を擁護するだけでなくいつのまにか義父の皇帝を褒めまくっていたところが、かっこよくて陛下だけでなく読者も惚れること間違いなしです。テンション高めで天然なヒロインの言動と、おじさまヒーローの落ち着いた雰囲気のギャップと嚙み合わない会話も面白く、徐々にヒーローがヒロインを囲い込んでいく様子も楽しめます。ほっこりする中にもティーンズラブらしい溺愛もあり、愛されるキャラクター造形と、しっかりしたストーリーのバランスがとても良い作品です。

ピーチ賞
  • 不器用な彼らは逆境ごときに屈さない
    著者:矢場めろ
選評

等身大のキャラクターが大変魅力的で、学園で繰り広げられる幼馴染同士の恋の駆け引きはもどかしくも可愛らしく、思わず笑顔で読んでしまいます。一見ただのプレイボーイに見えたヒーロー・ルイの行動の理由や真実に不器用ながら愛を感じ、ラストにヒロイン・マリノアが女子生徒らに啖呵を切るシーンでは、ルイを真に思う気持ちが伝わってきて、スカッとするだけでなく、胸を打たれました。恋愛が物語の主軸ではあるものの、随所にキャラクターを深堀りするエピソードも散りばめられ、小気味よい会話の応酬も相まって、飽きずに読み進められます。主役陣だけでなく王子をはじめとするサブキャラクターなど、読者それぞれが「推し」を作ることができる物語です。官能シーンがなくても、十分に恋愛小説として読者に楽しんでもらえると思います。

奨励賞
  • お堅い契約夫婦は蜜月ごときに屈さない
    著者:矢場めろ
選評

ピーチ賞「不器用な彼らは逆境ごときに屈さない」のヒーローの弟カップルの話で、対照的に官能的な愛の物語でした。お堅い二人が機密保持の理由から偽装結婚をし、大真面目な様子で徐々に甘い関係になっていく展開は王道ながらも、持ち前のキャラクターの描写の巧さで、唯一無二の物語として仕上がっています。女性騎士で恋愛や閨事に疎いメティスと、癖の強いロイの堅物同士のカップリングも、ティーンズラブ読者のツボを押さえています。

奨励賞
  • 死に戻ったら、命がけで守った主君に冷遇される悪妻でした
    著者:ボボブラ汁
選評

死んだ元護衛騎士の魂が十数年の時を経て主君の悪妻の肉体に入るという、一風変わった入れ替わり転生年の差カップルのアイデアが秀逸でした。入れ替わる前がかなりの悪妻だったため周囲とのすれ違いにハラハラしましたが、ヒロインの献身的な言動に徐々にヒーローが気づき惹かれていく展開は応援したくなりました。守るべき相手としか見ていなかった主君をヒロインが男性として意識し、恋に落ちていく様子にときめきが感じられる作品です。

奨励賞
  • 「前世のあなたを愛している」と言った最低な夫は、きっと勘違いをしている
    著者:針沢ハリー
選評

ヒロイン・クレアとヒーロー・エリオットのそれぞれの前世の記憶とその正体、そして交錯する想いと誤解などが複雑に絡み合い、大変読み応えのある作品でした。全体に流れる二人の緊張感を孕んだ想いと、背景にある事件の真相など、常に頭をフル稼働させながら、謎を一つ一つ解いていく楽しさがあります。前半と後半で様相が変わる展開にハラハラし、すれ違う二人の思いにドキドキし、結末を見届けたいと思わされた作品でした。

奨励賞
選評

高嶺の花と見せかけた干物系貴族令嬢のスローライフが楽しい作品です。リシュリーの社交界では猫をかぶりつつも大好きな趣味(園芸)を楽しむ姿は、自立したヒロインを好む昨今の恋愛小説読者層からも、大変共感を得られると感じました。利害一致の契約結婚から始まったアーノルドとのじれじれとした恋愛模様は、ときめきながら読むことができましたが、異世界お仕事女子ファンタジーとしても十分楽しめる物語です。

コミック原作賞
  • 青い目を持つ魔術師は、素直なメイドを黙らせたい
    著者:水浅葱
選評

ヒロイン・エレナの歯に衣着せぬ物言いがとってもコミカルで気持ち良く、それに翻弄されつつも負けじと言い返すヒーロー・クリスとの小気味よいセリフの応酬が大変面白かったです。人嫌いの仮面を被っていたクリスがエレナの調子に乗せられて徐々に素顔を表していく様子や、お互い好意を抱いているのに、お役目との狭間で悩むエレナがまったくクリスのアピールに気づかない所など、すれ違い恋愛模様もコミックとしても楽しめると思いました。

コミック原作賞
  • ヤンデレは鑑賞用に限ります!!
    著者:鳥海柚菜
選評

ヒロインが無類のヤンデレ好き、というインパクトが素晴らしい作品でした。フランチェスカの欲望に忠実で、ヤンデレのためなら努力を厭わない性格も好感が持てましたが、それを転がして彼女を囲い込んでいくジェイクのヤンデレな様子も、思わずその後の展開を想像し、ニヤニヤとしながら読み進めてしまいました。ともすれば説明過多になりそうな地の文も緩急が巧みで読みやすく、状況が目に浮かぶようで、コミカライズに最適な作品だと感じました。


【総評】

本年も404本と多数の作品をご応募いただくことができ、応募者の方々には心より御礼申し上げます。
今年は謎解き・ミステリー要素や、個性的なキャラクターや世界観を描いた、キャラクターノベルとしても面白い作品が多く見受けられました。一方で、ティーンズラブらしい溺愛やときめきが物足りなく、選考を通過できない作品もありました。異世界ティーンズラブも円熟期に入り、オリジナリティを出そうと様々な角度から物語に切り込むことは商業作品として大切な傍ら、ヒロインとヒーローが恋に落ちて幸せになるというティーンズラブの本質を、eロマンスロイヤルでは初心に戻って大切にしたいと思います。そんな中、オリジナリティあるカップリングながらも、ティーンズラブのツボを押さえ、多くの人がときめける作品を金賞に選出いたしました。他の受賞作品もeロマンスロイヤルが求める、自立したヒロインの生き生きとした姿を描いた物語となっています。
皆様の意欲的で個性的なラブストーリーを次回も楽しみにしております。

※二次選考通過作品の選評は10月下旬の掲載をを予定しております。

選評

男女の価値観の違う国に嫁いだ女性騎士の満たされない結婚話かと思いきや、ふっきれたヒロインの行動力が潔く、読者の共感も得やすかったと思います。トラウマ持ちのヒーローとの関係も、それを強引に乗り越えていくたくましいヒロインの姿に惹かれました。価値観の違いに風穴を開けるヒロインの姿がもっと見たかった気がします。

選評

悪役予定の転生令嬢が、早々に登場人物に前世を白状し、退場しようとする展開は新しくて楽しめました。ただ「ヒーローにドキドキさせられると予知が発動する」など広げられそうな設定やシーンがダイジェストになってしまったのが惜しかったです。二人が再会した後も、気持ちを後押しする絆を深める出来事があってほしいと感じました。

選評

白い結婚からの溺愛という王道物語で、短いながら主人公の生い立ち・苦悩・試練、愛を育む様子が不足なく書かれていました。悪人がいないので読後感も大変良いです。一方で、物語のキーである「甘いにおい」の正体が明かされていないのは気になりました。主人公たちの会話などで読者を納得させられる仮説などが入るとよかったです。

選評

ドSな美形騎士と転生当て馬令嬢のカップリングはティーンズラブ読者が好むキャラクター設定で、タイトルも大変引きがありました。読者を引きこむドキドキの展開が続き、ジャンルのツボを押さえている点はさすがでした。この先の溺愛展開も楽しみでしたので、最終的にどう物語を着地させたのかまで、読めると良かったと思います。

選評

隣国の行方不明の王女と、辛い過去を持つ白魔術師の契約結婚で、不幸な境遇にもかかわらず前向きなヒロインは好感が持てます。ただ、後半はヒーローの苦悩がメインで、ドラマチックな生い立ちのヒロインにスポットが当たりませんでした。ヒロインを虐げていた家族を絡めてもう一波乱を作り、カタルシスを描いてほしかったです。

選評

官能的なタイトルに反し、最初に胃袋を掴まれて落ちていく女騎士がギャップがあり可愛らしかったです。一方で場面転換が多く、章ごとにワンシーンをぶつ切りに見せられているような印象になりました。キャラクターやエピソードは悪くないので、それぞれの場面が一本に繋がることを意識して物語を作っていけると良いと思います。

選評

記憶喪失&ワンナイトものと思わせつつ、ミステリー仕立てになっている構成が興味深い作品です。ヒロイン視点で読み進めると、周囲の誰の話が真実なのかわからず、疑心暗鬼になりながら謎を解いていく感じが面白く、ぐいぐいと引きこまれました。タイトルはWEB連載時には目を引きますが、書籍には少ししにくく感じました。

選評

二人のすれ違い要素、ビジュアルが目に浮かびそうな本文描写など巧みな作品でした。ただ、真面目な騎士であるヒーローがいい人すぎてティーンズラブに求められるクセがなく、溺愛要素も物足りなく感じてしまいました。独自の世界観は練られている作品でしたので、官能シーンがない物語として構成し直しても面白くなるかもしれません。

選評

食でつながる二人の関係性・キャラクターの表し方に癒される、ほのぼのラブストーリーでした。なぜお互いを好きになったのかもきちんと描写されており、何よりご飯がおいしそうでした。ティーンズラブの観点からはやや溺愛面が物足りなく感じてしまいましたが、ぜひ今後も描写力を生かして、ご飯もの長編などに挑戦してほしいと思いました。

選評

他とは一風違う凝った物語設定は大変読み応えがありました。知恵の大樹=生成AI的な設定が目新しく、どう処理をしていくのかに興味を惹かれました。ティーンズラブ的な男女の駆け引きもあり、恋愛要素もよかったです。設定が若干取っつきにくいところがある分、文章は読みやすさを心がけても良かったかと思います。

選評

読み応えのある、死に戻り・やり直しラブストーリーでした。人物描写がしっかりしており、芯のあるヒロインの性格は大変好感を持って読むことが出来ました。政略結婚から死に戻りで陰謀や真実がわかるという安心して読める王道展開でしたが、オリジナリティという点ではなにか意表を突く設定、展開があっても良かったと思います。

選評

キャラクター造詣が巧みで、ヒロインと団長とのやりとりをテンポよく楽しむことができました。死に戻りというテーマは良かったですが、作品独自の個性を出す前に物語が終わってしまったのが惜しいと感じました。会話などが魅力的に描けるので、長編作品に挑戦して、よりオリジナリティのある設定の作品作りを目指してほしいです。

選評

さばさばとした女騎士と、年下の第四王子のじれったく進む関係性が面白い物語でした。二人だけで話が進むのではなく、サブキャラクターもよく動いています。タイトルも大変引きがあり魅力的でしたが、話が進むにつれやや乖離してきてしまいました。タイトル要素を、最後のオチにまで引っ張れるとよりよかったと思います。

選評

悪人×悪人が裏から権力を手に入れるブラックな展開は最近の流行で、コミカライズ映えしそうだと感じました。ヒーローがヒロインを手段を選ばず守る点はヤンデレ要素としてはよかったですが、ヒロイン側がヒーローを好きになるきっかけはあまり描かれていないように感じ、周囲の登場人物の役割も詰め切れていないのが惜しかったです。

選評

「ハイテンション・ラブコメディ」のキャッチコピーがふさわしい明るい監禁ストーリーは、最後まで楽しく読むことができました。キャラ同士の会話と勢いも良く、短いながらも溺愛要素も楽しめました。もっとこの二人が読みたいと思わされましたので、エピソードを追加し、さらにキャラクターを掘り下げた長編作品を読ませてほしいです。

選評

家庭環境から「自分だけを愛してくれる童貞と結婚する」と意気込むヒロインの設定などはティーンズラブ的にはインパクトがあり、大変引き込まれました。冒頭が面白く、溺愛展開も大変期待していましたが、ストーリーが中盤までしか描かれておらず、今後の展開が不明のため、最終的判断は残念ながらできませんでした。

選評

コミカルなタイトルに反して、悲恋の未来を思ってヒロインが苦悩する展開は恋物語として楽しむことができました。ただ、記憶を思い出す前にもキーになるセリフを言っていたのはなぜかなど、読み込むと設定の整合性が取れていないように感じられ、ラストも主人公の預かり知らないところで話がまとまってしまうのが惜しかったです。

選評

異世界ランジェリーものは、異世界での貞操感や技術、文化の違いをどう描くかが難しいテーマですがよくチャレンジをされ、素材や製造方法のこと、ヒロインの自立心もしっかり描かれた作品でした。なぜランジェリーを作りたいか、好きの動機をもっと出すのと、この世界の風俗的なこととの関係性が噛み合うと良かったと思います。

選評

身代わりで嫁いでみたら、結婚相手が死んでいて……から始まるトンデモ話ですが、テンポよい展開でどんどんお話が変化していき大変面白く読めました。ヒロインを虐げていた祖国に対しての断罪もあり、最後には溺愛もあり、短いながらに起承転結がしっかりしていました。その分駆け足だったのが残念なので長編で読みたいお話でした。

選評

女騎士と副官の、意外と初心な性教本ネタが面白い作品でした。キャラクターは良く、ヒロインの女騎士も気骨がありますが、展開が遅めで、途中で話のゴールを見失っているように感じました。起承転結を意識してテンポよく進められると良いと思います。タイトルも文字数の割に、的確に内容を表せていないように感じてしまいました。

選評

やり直しものでキャラクター的にも読者が好む設計で非常に面白く読めました。前世とは違うヒーローの甘い溺愛に戸惑うヒロインと、薬づくりに精を出すリケジョヒロインのギャップもオリジナリティがありました。この薬学女子を突き詰めても良かったのかなというのと、後半お話が広がりすぎて散らかってしまった印象がありました。

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